ブランドが約束を果たせないと...続き
不二屋のような事件をどうしたら防ぐことができるのでしょうか?
例えば、CSRという考え方がありますが、広報セクションがCSRを一生懸命やっていれば、大丈夫という考え方をトップが持っているとしたら、その会社は危険です。
このようなマインドセットを持っているトップ自体にも大いに問題があるということです。
倫理観のある文化を造り上げ、会社の使命と価値を社員全員に浸透すべく、自ら先頭に立って動くトップであることが(ロールモデルであり、リーダーであること)必要です。
日本の会社で、経営理念が社員にしっかり浸透している会社はどれ位あるでしょうか?
HONDAイズムのホンダや、改善を徹底追及するトヨタなど、優れた会社ではかなりのレベルで浸透しているのでしょう。
しかし、大抵の会社では、経営理念とは社長室の額縁に入っている創業者の理想論、って感じで一般社員は、「私には関係のないこと」というようなノリです。
このようなノリは、不二屋事件のようなことを生む温床になるのです。
不二屋事件のようなことを防ぎ、素晴らしいブランドであり続けるためには、社員全てがブランド自身を代表できる必要があるのです。
例えば、ディズニーでは、アルバイトと言えどもしっかりとディズニーブランドを代表できるように教育されます。ディズニーとしてのサービスに妥協は許されません。
では、優れた企業は、具体的にはどのようなことをしているのでしょうか?
まず必要なのは、
企業の使命を定める事:その企業が社会に対して貢献すべき事は何か?
企業のビジョンを定める事:その使命をもって、何を目指すのか?
企業が生み出すべき価値を定める事:その企業が顧客を始めとする関係者に提供すべき価値とは何か?
これらを、Mission, Vision & Valueといいます。
*大抵、valueの中に、Integrity(誠実)などの規定があり、不二屋事件を起こした原因となるような行為を認めないというような定めが表現されています。
でも、定めただけでは、社長室の額縁の中のものに過ぎません。
肝心なのは、それらを全社員に理解してもらい、同意してもらいながら、根気よく浸透させる事です。
人事部を中心として、このMission, Vision & Valueの浸透セッションをしっかりと行うことが大事なのです。
*私がかつて働いていた外資系アパレル企業では、1年に2回ほどこの浸透セッションがありました。セッションには、ほぼ半日を費やしていました。
社員の時間給の合計を考えると、会社として凄い額の投資をしていることになります。
そして何よりも肝心なのは、これらを人事部任せにするのではなく、トップ自らが音頭を取り、情熱とリーダーシップを持ってこの浸透を進めることです。
このようなことをしっかりやってはじめて、「全ての社員がブランドを代表する事ができる」というような理想の形に近づくことができます。
呆れた謝罪会見をする社長さん達を観ていると、これらことをちゃんとやっている社長が日本に何人いるのか、と思ってしまいます。
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コメント
mitamuraさん
コメントありがとうございます。
ちょっと考えるのですが、企業モラル自体は、水俣病事件のあったころからなどと比べると逆に良くなっているのかも知れません。
むしろ、内部告発制度などのシステムにより、膿みを表面化できるようになってきたのではないでしょうか?
子供の教育と同じようにまず義務づけて行う、つまり理解より体験を先行させるやり方が有効な場合もあります。
*つまり、まだまだほとんどの企業が未成熟ってことですが。
ブログに書いたように、従業員一人一人がちゃんとしたブランドパーソンとしてブランドを代表できるような、前向きな企業文化を創っていくチャレンジをリーダーがバックアップできると素晴らしいですね。
投稿: SHO | 2007年1月20日 (土) 23時59分
最近、コンプライアンスを無視したり、ステークホルダーを軽視した経営による企業不祥事が後を経たず、企業倫理の荒廃ぶりは末期的な状態となっています。
性悪説に則って、法令順守や環境保全、ステークホルダーとの良好な関係の構築を国際的な規格によって企業に義務付けなければいけなくなってきているというのは、なんとも嫌な時代です。
投稿: mitamura | 2007年1月20日 (土) 23時39分